Alteryxでマトリクス分析

Alteryxでマトリクス分析

Clock Icon2018.03.14

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こんにちは、小澤です。

今回は、Alteryxのグラフ作成のテクニックの一つとして、マトリクス分析を行ってみたいと思います。

マトリクス分析とは

まず、最初にマトリクス分析がどのようなものかについて、簡単に解説します。 マトリクス分析では、以下の2つを行います。

  • データが持つ2つの属性に着目して、それぞれの値をx, yの2軸で取ったものをプロットする
  • プロットしたx, y軸それぞれの平均値などの基準となる値の位置に線を引く
  • 出来上がった4つの領域それぞれにその特徴を表す名前を付ける

これだけではよくわからないですね。 実際の例としてPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)という有名なものを見てみましょう。

プロットされた各点は自社の事業です。 それぞれの事業を「市場シェア」と「市場成長率」という2つの軸の値をとってプロットしているわけです。 なお、自社のおける各事業の規模を円の大きさであらわす場合もあります。

プロットされたデータは各値の平均値などの基準によって4つの象限に分割されます。 PPMでは、それぞれの領域に以下のような名前がついています。

象限 名称 状況
右上 花形 シェアも成長率も高い
右下 金のなる木 シェアが高く成長率は低い
左上 問題児 シェアが低く成長率は高い
左下 負け犬 シェアも成長率も低い

経営資源を各事業にどのように配分していくかを決めるためのデータとしてこれを活用するわけです。 PPMの場合は、以下のような考え方となります。

花形

積極的に投資し続ける領域。 高いシェアを維持したまま市場が成熟していけば「金のなる木」へと育つ。

金のなる木

市場シェアの高さから高利益が得られ、かつ市場が成熟しているのであまり投資が必要ない領域。 ここで得られた利益を花形などへの投資に使っていくといい。

問題児

成長率の高い魅力的な領域ではあるが競争率も高い。 花形に持っていくには、投資すべき金額も多くなる。

負け犬

市場は成熟しきっていてかつシェアも低いのであまり継続する意味のない領域。 撤退を考えてもいいかも。

Alteryxでマトリクス分析のプロットを作る

マトリクス分析がどんなものかのイメージがついたところで、この図をAlteryxでどのように作成すればいいのかを解説していきます。

今回作成するワークフローは以下のようになります。

マトリクス分析では図を描くのでChartingツールを使っています。

ツールのグラフに関する設定は以下のようになっています。

Chart TypeをScatter(散布図)に設定して、 x軸, y軸にそれぞれ対象となる項目を設定しています。

これで以下のようなグラフが生成されます。

この段階では、まだ各象限に分けるための線がプロットされていません。 どの位置に線を引くかを決めるために、下側のSummarizeツールで計算をしています。 ツールの設定は以下のようにしています。

それぞれの軸で線を引く基準の値を計算するわけですが、今回は平均値を利用しています。 Summarizeツールの計算結果からそれぞれの軸の平均値が以下のように求まります。

求まった値をChartingツールで設定します。 縦軸の値は、Vertical AxisのUse Highlight Lineを「yes」に設定すると表示される「Line Location」に先ほどSummarizeツールで求めた値を入力します。 Line Colorはお好みで選択してください。

横軸の値もHorizontal Axisを選択して同様の設定で行えます。

設定を行ったのち、ワークフローを実行してグラフの出力結果を確認すると以下のように線が引けて、4つの象限に分かれていることが確認できます。 実際のマトリクス分析では、これをもとに各象限の名前を付けるなどしてください。

おわりに

今回は、Alteryxでマトリクス分析の図を作成する方法を解説しました。

実際の分析ではどのような軸を取るか、各象限をどのように解釈するかは人間が行うことになります。 また、結果をもとにどのようなアクションを取るかも考える必要があります。

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